サッカーしながらおしゃべりしましょう!

屋良充紀(やらみつとし)コラム-サッカーしながらおしゃべりしましょう!
「声出せよー!」「お一い!」
僕の率いるジュニアユースも色々な所とゲームをやる機会があるのだが、この様な古典的な掛け声を掛けて気合を入れているチームがまだあるのが信じられないでいる。
僕のチームではゲーム中に見方に的確な指示を与える為にしゃべりなさい、とにかく見方に有利な事は全て情報交換しなさいと言っている。
例えば敵が近づいて来ていれば「来てるよ」とかフリーな所があれば「あそこ、あいてるよ」とかディフェンスラインを押し上げる時は大きく手を広げてバタバタさせながら「上げろー」と言った方がいいぞ、とかサッカーは独りでやってるんじゃないから状況をいち早く察知した人間がドンドンその情報を味方に伝えなくちゃ上手くいくわけがない。
パスを出そうとしているプレーヤーに「ヘイ、ヘイ」と言ってリアルにボールを受けるふりをして、ディフェンスを引きつけて、ボールを持っている、プレーヤーへのプレッシャーを少なくして、良いプレーを引き出す事も出来る。
その様な事も含めて、うちのチームではゲーム中、仲間同士で常に会話しながら、ゲーム運びをしなさいと言っているのだ。
日本サッカーの技術レベルは目覚しくレベルアップしているのだが、ゲーム中に出される指示や仲間を鼓舞するボキャブラリーの貧弱さにまだまだ文化じゃないんだなーと思ってしまう。
特に日本人は恥ずかしがり屋さんで、なかなか思いきった事を書えないってところもあるのかもしれないが、「声出せよー!」「おーい!」なんていった後、パッタリと何もしゃべらず、黙々とボールを追いかけてミスしたりすると、又キャプテンぽい選手が「気合入れろよー!」と言うと「オーイ! 」なんて言ってやんの。
何かおかしなーなんて思わないのかね。日本協会も「ターン」「マノン」なんていう風に用語を統一させようとしているみたいで、ちょっとやれるかななんてチームの選手は得意げに「ターン」なんて言っているけど結局決められたボキャブラリーしか言えないし。
第一何で英語で統一しようとしているのか良く解からない。
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その点ブラジルサッカー界はトップチームやセレソンは勿論草サッカーや、ストリートまでガンガン指示を出す。
少年レベルでもお情け的「ドンマイ」なんて事で選手をうわべだけ慰める様な事はせず、今にも掴みかかりそうなほど味方同士で鼓舞しあうのだ。
そうそうドゥンガを見た事がある人ならイメージしやすいと思う。
ブラジルでは草サッカーレベルでもあのような感じでチームを引き締めるのだ。
当然ボキャブラリーも多く、的確。
例えば敵ディフェンスをしょっている味方には皆一斉に「ラドゥロン!」(どろぼう!)フリーであることを伝える時は「タソー!」(独りだぞー!)
相手にパスを回されたり、ドリブルでズルズル抜かされたりしたら、「シェガー!」(やめさせろー!)キーパーがドリブルしてくる敵数めがけてキーピングする時などは、「サーイ!」(どけー! )と言いながら突っ込んでいくし、ちょこざいな事をやられた後は、必ずと言っていいほど、空手チョップの様なゼスチャーも交えながら「バイジャンター!」(おい、一発お見舞いしとけ!)とものすごい剣幕で味方に鼓舞される。
パスミスが続けば「キーソーノイン!タドルミンド!」(眠いのか!寝てるのか!)と罵られ、ゲーム展開が雑になってくれば「カオマ!カオマ!」(落ち着け!落ち着け!)とこれまたジェスチャーたっぷりで声をかける。
サイドをオーバーラップする選手は「エーイ」という大声を出しながらかけあがるし、皆が今何に集中するのか次に何をしなきゃいけないのか、共通の意志を持てるし、伝える事が出来るのだ。
仲間同士の罵り合いも多く大きなミスを犯してしまった後などはお互いつかみかかってケンカになるほどの勢い、気合なんてものはいちいち声かけなくても、元々入っているのだ。
さっきも言ったように少年レベルのストリートや草サッカーからセレソンまでこのような用語が共通していて、どのレベルでも指示を出し合っているのだ。
ブラジルで子供達が最初にサッカーーを始めるのは決まってストリートからだ。
ボール一個に色々な仲間が集って自分達で全部決めてやる。
監督やコーチなんかいないから自分達で「ああしよう」「こうしよう」とやる環境が原点なのだ。
一方、日本はどうだろう?サッカーを始めるとすぐに監督コーチのいるチームで始める。
その監督は色々な事を子供達に教えてしまう。
最初にサッカーをやる環境が「教えてあげる的」な「大きなおせっかい指導」に子供達でのコーチングの習慣をつけさせない環境をつくりだしてしまっている様な気がしてならないのだ。
最初に与えられた環境がその様では監督やコーチの言ったことをやっていればいいしダメなら教えてもらえばいいという思考回路を作ってしまうのだ。
ついでに余計な事をして、怒られない様にしようと思うって事もつけたしておこう。
これじゃあ何時までたっても本当のサッカー文化は育たないよね。
この部分を変えないと日本協会が「マソン」「ターン」なんていくら統一しようとしたって無理なんじゃないの。
子供達の未だに古典的な掛け声に疑問を抱いた次第です。
やらり〜
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屋良充紀プロフィール
やら・り〜の俺に言わせろ
【ライセンス】
・日本サッカー協会公認A級U12コーチ
・日本体育協会指導員
・ブラジルサッカー連盟サンパウロサッカー協会公認指導者コース終了
・コロンビア、アンティオキアサッカー協会指導者コース終了
【選手歴】
・モンチ・ネグロFC(90/2~90/12 ブラジル)
・ECコメルシアル(91/2~92/1 ブラジル)
・ECサント・アンドレ(92/4~92/12 ブラジル)
・GEマウアエンセ(93/1~93/6 ブラジル)
・グリーン・クロス(95/5~95/8 エクアドル)
・インデペンディエンテ・サンタフェ(99/5~99/12 コロンビア)
【指導歴】
・エスコリーニャFC 代表・監督(94~現在)
・インデペンディエンテ・サンタフェ 選手兼任でサテライトチームコーチ(99/7~99/12)
・横浜FC泉Jrユース 監督(2000/10~2007/3)
・神奈川県立和泉高等学校サッカー部外部コーチ(2005/4~2006/3)
・シリアフットボールアカデミーU14、12 ヘッドコーチ(2008/1~2009/6)
・シリア代表コーチ兼テクニカルスタッフ(2008/10~2009/6)
・kazuSCJr.ユーステクニカルアドバイザー(2009/11~)
【メディア出演】
・「もぎたて朝一番」 火曜日フットサルのコーナーでレギュラー出演
・「とんねるずの生でダラダラいかせて」 ノリタケ少年サッカー団コーチ
・「ヤラッチのサッカー見聞録」 司会
・「YCV保土ヶ谷区少年フットサル大会」 解説
・「サッカー天国!~O Paraiso de Futebol!~」
・「青空へシュート!(監督:すずきじゅんいち 主演:宍戸開)」
【執筆記事】
・JFAシリア派遣レポート
 
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